技術講座

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[技術講座(伝送―1)]                 (2002/09/16作成)

 電気通信は古くて新しい技術です。新技術をより良く理解するにはその根底にある基礎技術を習得しておく必要があります。そこで先ず、基礎技術の一つである伝送技術についてまとめることにしました。

1.有線伝送装置

1.1有線伝送装置の役割

 伝送とは、ある情報を固体(有線)や空間(無線)を媒体にして正確安定にかつ遠くまで伝えることです。一般に、情報は媒体を通って行く間に媒体による減衰、外部からの雑音による影響を受けます。このため、情報を伝送しやすい信号に変え、正確、安定にかる遠くまで伝える装置、すなわち伝送装置が必要になります。また、信号を伝えるための媒体は伝送媒体と呼ばれ、伝送媒体を特に設ける場合を有線伝送、特に設けない場合(空間を伝送媒体として利用する場合)を無線伝送と呼びます。

 伝送装置にはもうひとつの役割があります。一般に通信の対象者が少人数の場合には、通信する相手間を1本1本の伝送媒体で結んでもそれほど不経済な通信システムにはなりません。しかし、情報量、通信者数が増え、数km以上の都市間相互にわたるような広い範囲の通信では、1本1本伝送媒体を作ると極めて高価な通信システムとなってしまいます。そこで、考えられたのが図1に示すように、1本の伝送媒体で多くの情報を伝えると言うことです。このように、効率的に情報を伝えることも伝送装置の大切な役割となります。



                        図1 伝送装置の役割


1.2有線伝送装置の機能

 有線伝送装置の機能は、図2のように大別することができます。


                            図2 有線伝送装置の機能分類


 まず、音声などのアナログ情報やデータなどのディジタル情報を、伝送しやすい信号に変える機能があります。この機能を信号変換機能と呼びます。信号変換機能には、例えば、音声などのアナログ情報を、伝送媒体を通して容易かつ効果的に伝送できる信号に変換する変調機能や、雑音などによる劣化を少なくするために、アナログ信号をパルスの有無(ディジタル信号)に変換する符号化機能があります。次に、1本の伝送媒体でたくさんの信号を送り、信号を効率的に伝える機能があります。この機能を多重化機能と呼びます。信号変換された多数の信号をまとめて伝送路へ送出する機能です。

 アナログ信号の場合は、変調技術によってより高い周波数帯に変換し多重化を行います。これを周波数分割多重と呼びます。また、ディジタル信号の場合は、ビット単位に時間軸上に多重化を行います。これを時分割多重と呼びます。多重化された信号が、(1)容易に減衰しない、(2)容易に漏れない、(3)外からの妨害をできるだけ受けない――よう正確に信号を伝送する機能が信号伝達機能です。また、伝送媒体は、そのままでは自然あるいは人為的外力によって損傷する危険があります。そのため、伝送媒体を保護する機能が伝送媒体保護機能です。

 伝送媒体中を長距離伝達された信号は徐々に劣化します。そこで、情報の劣化を防ぎ、正確、安定にかつ遠くまでで伝える機能があり、これを中継機能と呼びます。多重化された信号は、伝送媒体を伝播する間に損失を受け、弱くなったり、信号の波形がゆがんだりします。そこで、アナログ信号の場合、中継器では劣化した信号レベルを増幅させ、波形を整形し、入力と同じ信号レベル、波形で再び伝送媒体に送信します。また、ディジタル信号の場合は、劣化したパルス信号の有無を識別し、送信のパルス信号と同一のパルス信号を再生して再び伝送媒体へ送信します。

 中継機能により受信側に伝達された信号は、多重化および信号変換された状態のため、元の音声やデータなどの原信号に復元する必要があります。そのため、多重化された信号をそれぞれ元の信号に分離するための機能が分離機能です。次に、分離された信号を音声やデータなどの原信号に戻す機能が信号逆変換機能です。

 伝送装置が役割を果たすためには、信号変換、多重化、信号伝達、伝送媒体保護、中継、分離、信号逆変換7つの機能が必要になります。このうち、信号変換と信号逆変換、多重化と分離はそれぞれ対をなす機能と言えます。

1.3有線伝送装置の構成

(1)基本構成

 図3に有線伝送装置の基本的な構成を示します。装置構成は、アナログ、ディジタル方式とも基本的には同じで、大きく分けて8つの部分から構成されます。



              図3 有線伝送装置の基本構成


 @ 情報を伝送しやすい信号に変えて多重装置に送り出し、また逆に、多重変換装置からの信号を原信号に復元する信号変換装置
 A 信号の多重化および分離を行う多重変換装置
 B 多重変換装置などからの信号を媒体に適した形に変換して伝送路へ送出する、また逆に伝送路から受け取る端局中継装置
 C 伝送されてきた信号を増幅または再生して中継する中継装置
 D 中継装置へ電力を供給する給電装置
 E 伝送方式の監視・制御をする監視・制御装置
 F 信号を伝達する伝送媒体
 G 伝送媒体を支持・保護する線路構造物

 図4に伝送媒体および線路構造物の構成を示します。伝送方式は、使用する伝送媒体により、平衡対ケーブル伝送方式、同軸ケーブル伝送方式および光ファイバケーブル伝送方式などに分けられます。



                図4 伝送媒体と線路構造物の構成


(2)アナログ有線伝送装置

(a) 構  成
 図5にアナログ有線伝送装置の構成を示します。まず、周波数変換装置において、多数のアナログ信号はより高い周波数帯に変換配置され、多重化されます。多重化された信号は、端局中継装置において伝送媒体に適した信号に変換され、伝送監視制御用の信号が付加されて伝送媒体に送り出されます。伝送媒体により劣化した信号は、中継装置において波形を整形、レベルを増幅し、送信の出力と同じレベル、波形で再び伝送媒体へ送出されます。情報が目的地まで伝送されると、送信側と全く逆の変換を行い、信号を受信します。



               図5 アナログ有線伝送装置の構成


(b) アナログハイアラーキ
 アナログ信号の周波数変換を行い、周波数軸上に4kHz間隔で多重化する際は、幾つかごとにまとめて逐次変換する方法がとられています。これらの変換手順を変換階梯(ハイアラーキ)と呼びます。概要は以下のとおりです。

 @ 基礎郡(G)
  交換系から送られてきた通話信号を通話路変換装置(CHTR)により60〜108kHzの帯域に12通話路を積み上げ、基礎群(group)をつくります。
 A 超群(SG)
  基礎群5つを群変換装置(G TR)により312〜552kHzの帯域に60通話路を積み上げ超群(super group)をつくります。
 B 主群(MG)
  5つの超群を、超群変換装置(SG-TR)により、812〜2044kHzの帯域に300通話路を積み上げ、主群(master group)をつくります。
 C 超主群(SMG)
  3つの主群を、主群変換装置(MG TR)により、8516〜12388kHzの帯域に900通話路を積み上げ、超主群(super master group)をつくります。
 D 巨群(JG)
  4つの超主群を超主群変換装置(SMG TR)により42612〜59684kHzの帯域に3600通話路を積み上げ、巨群(jumbo group)をつくります。

 さらに、巨群変換装置(JG TR)により、3つの巨群を4476〜59684kHzの帯域に10800通話路を積み上げます。これはC-60M方式として伝送路に接続されます。このように、幾つかの変換段を積み上げることにより、各種通信回線の柔軟な増設、分離などを行うことができます。さらに、変換過程で必要とされる濾波器搬送波の種類を少なくし、保守を容易にすることができます。

(3)ディジタル有線伝送装置

 (a) 構  成
 図6にディジタル有線伝送装置の構成を、図7にビット単位多重化の例を示します。


       
                図6 ディジタル有線伝送装置の構成




               図7 ビット単位多重化の例


 信号はまず、符号化装置においてアナログ信号がディジタル信号に変換されます。ディジタル信号に変換された信号は、時分割多重変換装置において図7のように時間軸上に多重化されます。更に多重化された信号は、端局中継装置において伝送媒体に適した信号に変換され、伝送監視制御用の信号が付加され、伝送媒体に送り出されます。長距離を伝送する場合、劣化した信号は、再生中継装置で送信時のパルス信号と同じパルス信号に再生され、再び伝送媒体へ送出されます。情報が目的地まで伝送されると、送信側と全く逆の変換を行い、信号を受信します。

 (b) ディジタルハイアラーキ
 ディジタル方式においてもアナログ方式と同じようにハイアラーキがあり、例えばNTTでは1次群から5次群まで表1のように5段階のハイアラーキ構成をとっています。このハイアラーキの階梯に沿ってディジタル5次群まで多重化する装置として、例えばDM-12形、23形、34形、45形および同期端局の5種類の多重変換装置があります。各ハイアラーキを図8に示します。概要は以下のとおりです。


            表1 ディジタル多重化のハイアラーキ(例)

 
1次群
2次群
3次群
4次群
5次群
ビットレート(Mbps)
1.544
6.312
32.064
97.728
397.200
電話換算容量/SYS
24CH
96CH
480CH
1440CH
5760CH



               図8 ディジタルハイアラーキ(例)


 @ 1次群(1.544Mbps)
 4kHzの帯域を有するアナログ信号を24CH多重化するPCM-24端局装置などにより1次群のハイアラーキをつくります。1次群に接続される伝送路の例としては、平衡対ケーブルを利用したPCM-24B方式があります。
 A 2次群(6.312Mbps)
 DM-12形多重変換装置により1次群4つを多重化し2次群をつくります。容量は1次群の4倍の電話96CH分に相当します。2次群に接続される伝送路の例としては、光ファイバケーブルを使用するF-6M方式などがあります。
 B 3次群(32.064Mbps)
 DM-23形多重変換装置により2次群を5つ多重化し3次群をつくります。2次群の5倍の容量を有しており、電話480CH分に相当します。3次群に接続される例としては、光ファイバを使用するF-32M方式などがあります。
 C 4次群(97.728Mbps)
 DM-34形多重変換装置により3次群3つを多重化し4次群をつくります。3次群の3倍の容量で電話1440CH分に相当します。4次群に接続される例としては、光ファイバケーブルを使用するF-100M方式があります。
 D 5次群(397.200Mbps)
 DM-45形多重変換装置により4次群4つを多重化し5次群をつくります。4次群の4倍の容量で電話5700CH分に相当します。5次群に接続される伝送路の例としては、光ファイバケーブルを使用するF-400M方式などがあります。

2.伝送媒体

 伝送媒体はその構造から、金属導体を使用した平衡対ケーブル同軸ケーブルのほかに、マルチモードおよびシングルモード光ファイバケーブルがあります。

2.1平衡対ケーブル

 平衡対ケーブルは2本の金属体により信号を伝送するもので、高周波信号(数10kHz以上)の伝送には適していないため、交換機と事業所や家庭の端末間をつなぐ線路(加入者線路)や、近距離で伝送容量が中・小規模の交換局間に多く用いられています。平衡対の構成方法としては、表2に示すように対、星形カッド、DMカッドがあります。対撚りは2本の導体(心線とも言う)を直接撚り合わせたもの、星形カッド撚りは4本の心線を正方形の四角に配列し、共通の軸回りに一括して撚り合わせたもの、DMカッド撚りは対に撚り合わせた心線を1対ずつさらに撚り合せたものです。


                表2 平衡対の構成方法


 平衡対ケーブルの心線構造を考える場合、信号を伝送する際いかにして損失(伝送損失)を減少させるかが重要です。伝送損失を小さくするためには以下のことが有効です。
  @ 導体の電気抵抗(R)を減少させる
  A 導体間の漏れコンダクタンス(G)を減少させる
  B 導体間の静電容量(C)を減少させる
  C 導体の自己誘導係数(自己インダクタンスL)を増加させる
  (注:平衡対ケーブルでは、RC = GL の時伝送損失が最小になる。実際のケーブルはRC≫GLのため、Lを増加させることにより伝送損失を減少させることができる)

 図9に2つの心線で構成する回線のR、G、C、Lの関係を示します。電気抵抗を減少させるには、良導体を用いること、導体を太くすることの2つの方法があります。良導体としては、銀、銅、アルミニウムがありますが、銀は高価でアルミニウムは接続しにくいことから、銅が一般的に使用されています。 一方、導体を太くする方法については、使用する周波数が高くなると電流が導体の表面に集まって実効的な抵抗が増加する、いわゆる表皮効果の影響があるためそれほど抵抗は減少しません。また、経済性および製造・建設・保守上の不便さから太くするには限度があります。一般に、通信ケーブル用として直径0.32mm、0.4mm、0.5mm、0.65mm、0.9mmなどの導体径が用いられています。



               図9 線路の略図


 導体間の静電容量を減少させる方法として導体間隔を広げることが考えられますが、これは必然的にケーブル外形を太くするので限度があります。そこで、導体間にある絶縁物の誘電率を小さくすることが考えられます。手じかに、安価に入手しやすくて誘電率の小さいものは空気なので、従来は乾燥した多孔質の紙が使用されていました。現在では図10に示すように発砲ポリエチレンを使うことで、絶縁物が薄くても静電容量の小さい構造を実現しています。



  図10 一定絶縁耐圧に必要なポリエチレンの厚さ(0.4mm心線の場合)


 導体の自己インダクタンスを増加させる方法としては、コイルを用いる方法があります。コイルを一定間隔に挿入することにより、ケーブルのインダクタンスを増加させる方法で、比較的近距離の中継回線に用いられています。

2.2同軸ケーブル

 同軸ケーブルは平衡対ケーブルに比べ、高い多重度、良好な漏話特性を有しています。1対あたりの最大電話10800回線分の通話を送れるものもあります。同軸ケーブルの構造は、図11に示すように中心に位置する1本の導体(中心線体)と、その周りを取り囲んだ円筒形の導体(外部導体)およびその間の絶縁物(PEディスク)とからなり、外部導体の上から鋼テープを巻いた構造になっています。中心、外部の2つの導体を往復の伝送路として使用し、この1単位の伝送路を同軸心(コアまたはチューブ)といいます。



               図11 同軸対の構造


同軸ケーブルの電気的特性は、平衡対ケーブルに比較して次の点で優れています。

 @ 使用する周波数が高くなるほど漏話特性が良くなる
 A 伝送損失が少ない
 B 構造上の違いから絶縁耐圧が高い

 そこで同軸ケーブルは、長距離で非常に多くの回線を必要とする大・中都市間の中継に適しています。漏話が小さい理由は以下のとおりです。
 同軸ケーブルは、中心導体に流れる電流と外部導体に流れる電流の向きは反対なので、電磁気線が相互に打ち消しあって外部導体の外側にはほとんど磁力線、あるいは電気力線漏れないと言う長所があります。ほかの同軸心が近くにあってもほとんど漏話電流は流れません。しかも周波数が高くなればなるほど、図12に示すように表皮効果と近接効果(隣接導体における電流の接近効果)により、外部導体の外上面にはほとんど電流が流れず、したがって外部への影響も激減します。このように同軸ケーブルは漏話特性が良いため、高い周波数を使って多数の通話を伝送することができます。



            図12 高周波における同軸ケーブルの電流分布


 次に伝送損失には減衰量特性インピーダンスが関係します。平衡対ケーブルの減衰量は、伝送する周波数が高くなるに従ってほぼ比例的に増加しますが、同軸ケーブルでは周波数の平方根に比例して増加します。この性質は、高周波における損失が比較的少ないことを意味し、漏話の少ないことと相まって広い周波数帯で使用するのに有利です。特性インピーダンスは外部、中心導体径比と両導体間の誘電率によって決まります。導体径比を最適比(3.6)にするとほぼ75Ωになります。大部分の同軸ケーブルの耐圧特性は平衡対ケーブルの直流1kV程度に対し2〜3kV以上になります。このため電力伝送が可能となり、同軸心を使用して電力の遠方給電を行うことができます。

 NTTで用いられている同軸ケーブルはITU勧告に合致した標準同軸ケーブル(9.5mm)、細心同軸ケーブル(4.4mm)の2つに大別されます。各ケーブルは市外ケーブル対と複合したケーブル(複合ケーブル)および同軸心のみ集合したケーブル(シンプルケーブル)があります。同軸ケーブルの名称として用いられる9.5COX、4.4COXの数値は外部導体の内径(mm)をCOXは同軸ケーブルを表しています。図13に同軸ケーブルコアの配列の例を示します。



            図13 同軸ケーブルコアの配列の例


2.3光ファイバケーブル

 光ファイバケーブルについては、「技術講座(光ファイバ)」を参照してください。

3.線路構造物

 線路構造物は図14に示すように、地下に配線されたケーブルを保護している管路、マンホールなどの地下構造物および地上にある架空ケーブルを支持する電柱、支線などの架空構造物に分けられます。




            図14 線路構造物


3.1地下構造物

 地下構造物には道路下に設置される管路、マンホール、ハンドホール、とう道があります。

(1)管  路

 管路は地下ケーブルを保護するため埋設するパイプです。埋設する深さをあまり深くすると掘削に費用がかかり、あまり浅くすると道路上を走行する車などの重量により損傷を受ける危険があるため、地下1.2mより深く埋設しています。管路には、塗覆装鋼管、硬質ビニル管、鋳鉄管あるいは防食鋼管が使われ、管径(内径)には、25、50、75、100mmのものがあり、通常75mmのものを用いています。塗覆装鋼管は堅固で耐久性があり、硬質ビニル管は経済的で軽く管相互の接続が容易なため設置が簡単です。鋳鉄管は誘導対策区域に使用し、防食鋼管は防護コンクリートを打設する必要のある橋梁または引上管などに使用します。一般的には、表3に示すように布設条件にあった使用管路を選択します。


             表3 布設条件と使用管路

布設条件
使用管路
温泉地などの地温40℃を超える地域の車道 塗覆装鋼管、鋳鉄管
さく進工法による道路越し及び軌道越し 塗覆装鋼管、鋳鉄管
橋梁添架部分 硬質ビニル管、防食鋼管、鋳鉄管
橋 台 際 防食鋼管、塗覆装鋼管、鋳鉄管
はす田のような極端に地盤が軟弱な区間 塗覆装鋼管、鋳鉄管
引上分線管路(地下部分) 硬質ビニル管、塗覆装鋼管
    〃   (垂直部分) 硬質ビニル管、防食鋼管
地下配線管路(地下部分) 硬質ビニル管、塗覆装鋼管
    〃   (垂直部分) 硬質ビニル管、防食鋼管
誘導妨害またはその恐れのある区間 鋳鉄管、塗覆装鋼管


(2)マンホールおよびハンドホール

 マンホールは図15に示すようにケーブルの接続点装荷線輪(インダクタンス増加用コイル)、各種中継器などの設置点架空への引上げ点などに置かれ、工事従事者や保守者が入ってケーブルの接続作業などを行うために設置するコンクリート製のボックスです。大きさは最大で長さ6.2m、幅1.7m、深さ3.0mのものがあります。ハンドホールはビルへの引込みや、アーケード街など、比較的少対ケーブルマンホールのルートより分岐させて配線するための設備です。マンホールとは異なり深さも約1.0mと浅く、構造は図15に示すように首部がなく本体および鉄蓋により構成されます。大きさは最大で長さ1.2m、幅0.6m、深さ1.3mです。



              図15 マンホールとハンドホールの断面


(3)とう道

 電話局への各種ケーブルの引込み部分や、電話局相互間のケーブル条数が数10条以上(約30条以上)になると、とう道(地下のトンネル)によりケーブルを収容します。とう道は図16に示すように、断面形状により矩形とう道と円形とう道があります。矩形とう道の大きさは最大幅4.7m、高さ3.65m、円形とう道では最大内径5mとなっています。とう道の長大化ととう道網の形成に伴い、とう道内の災害防止およびとう道内作業の円滑化、省力化を図るため、災害感知、入出管理、設備管理、放送・連絡の4機能を持ったとう道管理システムが全国に導入されています。



              図16 とう道の断面


3.2架空構造物

 架空構造物には電柱、支線、つり線があります。

(1)電柱と支線

 電柱は利用者へ配線する架空ケーブル(電柱間を結ぶケーブル)を支持あるいは保護するための柱です。電柱は当初木材が、その後コンクリートポール、さらに鋼板組立柱、鋼管柱複合柱が開発され、現在ではこれら5種類が使用されています。表4に電柱の構造と特徴を示します。


              表4 電柱の構造と特徴

種別
構造
特徴
コンクリート柱 ・かご状の鉄筋にセメントコンクリートを流し込む
・中空のパイプ状
・見映えがよく超寿命
・重量が大で工事上不便
鋼  管  柱 ・表面に亜鉛メッキし、鋼板を円筒状に成形 ・軽量である 
・大量生産に適している
・太さが細い
鋼 板 組 立 柱
(パンザーマスト)
・鋼板を台形円筒に成形し、亜鉛メッキを施し一構成 部材 としている
・この構成部材を順次はめ込むことにより1本の電柱を 構成
・軽量である
・短くできるので運搬に便利
・山間地や狭隘な街路に適している
複  合  柱 ・コンクリート台上にAEポール(表面亜鉛メッキ処理鋼 柱) またはUCポール(表面耐候性塗装鋼柱)を取 り付けた構造  ・コンクリート柱より軽量である
・電食の恐れのある地域 に適用可能(AEポール)
・化学腐食の恐れのある地域に使用可能(UCポール)


 支線は電柱に止められたつり線および架空ケーブルとの張力のバランスを取り、電柱の倒壊、傾斜を防ぐための支持物で、電柱に取り付ける上部支線と地中に埋設する下部支線に分けられます。上部支線は電柱と下部支線を結び、架空ケーブルなどの張力を下部支線に伝えます。上部支線は一般的に亜鉛メッキ鋼より線を使用し、塩害による腐食の恐れがある地域ではアルミ被覆鋼より線を使用します。下部支線は上部支線からの張力に耐える土圧抵抗を得るため地中に埋設されます。下部支線は図17に示すように、抵抗板と安定板により土圧抵抗を確保する支線アンカ方式と、コンクリート製のブロックを地中に埋設することにより土圧抵抗を確保する支線ロッド・支線ブロック方式の2種類があります。一般には支線アンカ方式を適用しますが、地下埋設物(上下水道管、ガス管など)がある場合には支線ロッド・支線ブロック方式を適用します。




                   図17 下部支線の形態


(2)つり線

 つり線は、架空ケーブルを架設するために電柱間に張る鋼より線です。図18に示すように、電柱に金物で留めケーブルリングを使って架空ケーブルを保持します。



                  図18 つり線の形態

[出典]
 (1) 電気通信研究会:伝送交換設備及び設備管理、日本理工出版会(2000-2)

 以上、伝送設備についてまとめました。次回は変調、符号化、多重化についてまとめる予定です。



[技術講座(伝送―2)]                (2002/09/22作成)

 前回の伝送設備に引き続き、変調および符号化についてまとめました。

1.変調とは

1.1 通信と変調

 有線伝送装置の基本的な構成を図19に示します。ここでは、音声情報などが電話機などで電気などに変換されたものを信号と呼びます。



              図19 有線伝送装置の基本的構成


 音声信号などは、特に長距離通信においては、同軸ケーブル、空間などの伝送媒体上をそのまま伝送するのには必ずしも適していません。そこで信号変換装置で変調(modulation)を行いますが、変調とは、この音声信号などを伝送媒体を通して容易かつ効率的に伝送できるような形の信号に変換することをいい、再びもとの信号に戻すことを復調と言います。変調及び復調は、図19に示す送信側の信号変換装置及び受信側の信号変換装置でそれぞれ行われます。一般的には、実際の有線伝送装置においては、信号変換装置と多重変換装置は1つの装置として構成されます。

 変調においては、2つの要素を考える必要があります。1つは伝送しようとする音声信号など(変調信号)で、他の1つは変調信号の運搬を行う搬送波です。搬送波は通常の場合、変調信号に比較して高い周波数の正弦波が使われますが、他の連続波形やパルスが使われる場合もあります。変調は、搬送波の基本パラメータの1つ(振幅、周波数、位相)を変調信号に応じて変化させることにより伝送に適した信号を得ています。どのパラメータを変化させたかにより、それぞれ振幅変調(AM)、周波数変調(FM)、位相変調(PM)と呼びます。代表的な変調方式を表5に示します。


             表5 変調方式の分類

変調信号
アナログ変調方式
ディジタル変調方式
ディジタル信号

―――――――
振幅シフトキーイング
(ASK:Amplitude Shift Keying)
周波数シフトキーイング
(FSK:Frequency Shift Keying) 
位相シフトキーイング
(PSK:Phase Shift Keying)
アナログ信号
振幅変調
(AM:Amplitude Modulation)
パルス符号変調
(PCM:Pulse Code Modulation)
周波数変調
(FM:Frequency Modulation)
位相変調
(PM:Phase Modulation)


1.2 変調の必要性

 変調は、信号を容易かつ効果的に伝送するために用いられ、具体的には次の理由によります。

(1)信号の同時伝送

 図19において、複数個の音声信号(信号変換装置への入力信号)を変調せず、直接1本の伝送媒体で伝送することを考えてみます。この場合、音声信号はすべて同じ周波数帯域(0〜3.4kHz)を持っているので、互いに重複してしまい各音声信号の識別が不可能となることが分かります。すなわち、変調しない場合は、たとえ伝送媒体が個々の音声帯域よりずっと広い周波数帯域を持っていたとしても、複数個の音声信号の同時伝送はできないということです。これを解決する1つの方法は、音声信号を伝送媒体が持つ周波数帯域の範囲内において移動することです。変調によって搬送波の周波数を変えることにより、個々の音声信号を適当な周波数範囲に移すことができるので、重複することなく伝送媒体の持つ周波数帯域を複数の音声信号に割り当てることができます。つまり、利用可能な周波数帯域幅を効率的に使用することができます。

(2)放射の容易さ

 伝送媒体が空間のような場合、伝送すべき信号を空間に電波として放射する必要がありますが、一般に、伝送すべき信号の周波数が高いほど、より短い放射アンテナで効率的に電波を放射することができます。例えば、音声信号(変調信号)で100MHzの搬送波を変調し、ずっと高い搬送周波数範囲に音声信号を移したとすれば、1.5m程度のアンテナで容易に信号を電波として空間に放射できます。しかし変調せずにそのまま、同じ程度の長さのアンテナにより電波として放射しようとしても非常に効率が悪くなり、実用的な通信はほとんど不可能となってしまいます(一般的な通信として用いるには、非現実的な長さの放射アンテナが必要になります)。

2.振幅変調

1.1 原 理

 振幅変調は、アナログ伝送における代表的な変調で、搬送波の振幅を伝送すべき信号波(変調信号)の大きさに比例して変化させる変調方法です。図20では、説明の便宜上変調信号を単一周波数の正弦波としますが、音声信号などは、実際には複雑な波形になります。図20(c)の変調された搬送波の波形から、変調信号(低い周波数)が搬送波(高い周波数)の上に乗っていることが分かります。



              図20 振幅変調


 図20(a)の変調信号および(b)の搬送波は、次の式で表せます。

   変調信号 = Vp sinPt (P = 2πfp fp:変調信号の周波数)
   搬送波 = Vc sinCt (C = 2πfc fc:搬送波の周波数)

 振幅変調は、搬送波の振幅Vcを変調信号に従って変化させるものなので、変調された搬送波(c)は、(Vc+Vp sinPt)sinCtと表せます。この式を変形し、三角関数の公式を利用すると

   変調された搬送波
    = Vc sinCt+(Vp /2) cos(C−P)t−(Vp /2) cos(C+P)t            (1)

となります。この式は3つの項からなっており、

 第1項は、搬送波そのもの
 第2項は、搬送波より変調信号の周波数分だけ低い成分で下部側帯波といいます
 第3項は、搬送波より変調信号の周波数分だけ高い成分で上部側帯波といいます

 つまり、変調された搬送波は、搬送波そのものと、上部および下部側帯波が合成された波形であることが分かります。これを図21に示します。



               図21 変調された搬送波の分析


 例えば図20において、fp =4kHz、fc = 12kHzとすると、式(1)と図21の(b)、(c)、(d)の対応は次のようになります。

 (b)と第3項が対応し、−(Vp /2) cos(C+P)t = −(Vp /2) cos(2π×16×103)t
 (c)と第1項が対応し、Vc sinCt = Vc sin(2π×12×103)t
 (d)と第2項が対応し、(Vp /2) cos(C−P)t = (Vp /2) cos(2π×8×103)t

 すなわち、4kHzの変調信号で12kHzの搬送波を変調すると、搬送波の上下に16kHzと8kHzの上部および下部側帯波が現れます。また、縦軸に振幅を、横軸に周波数をとって表すと、図22のようになります。図22(a)から、変調によって変調信号が搬送波を中心として、その上下に移動していることが分かります。図22(a)は、変調信号が単一周波数の場合ですが、音声信号のように周波数帯域を持っている場合でも同様に、図22(b)のように周波数軸(横軸)上で広がりを持つようになります。図22から搬送波を適当に選べば、幾つかの音声信号を重複することなく、周波数軸上に配置し送出できることが理解できます。



              図22 振幅変調と周波数成分


1.2 単側帯波通信

 図22(b)のように、変調により音声信号(変調信号)の上部および下部側帯波が得られますが、そのどちらも音声信号の完全な情報を含んでいます。そこで、一方の側帯波と搬送波を除去し、残りの側帯波だけを伝送する方式がとられています。これを単側帯波方式SSB方式:single side band)といいます。SSB方式は、伝送媒体の限られた周波数帯域(伝送帯域)を効果的に利用ででき、送信電力も比較的少なくて済むので、アナログ有線伝送では主としてこの方式が用いられています。

3.符 号 化

3.1 PCMとは

(1)PCMの概要

 ディジタル変調方式のうち変調信号がアナログ信号で、搬送波がパルス列である変調方式をパルス変調と呼び、その中ではパルス符号変調(PCM)が最もよく利用されています。PCMは変調方法の一種ですが、アナログ信号とディジタル信号の相互変換(A/D、D/A変換)そのものと位置づけることができます。PCMは、連続的に変化する音声などの波形(アナログ信号)の瞬時ごとの情報をパルスの組み合わせに変え、そのパルスの組み合わせを送る方式です。アナログ信号をパルス符号に変えるためには、図23に示すように送信側(A/D変換部)では標本化・量子化・符号化が、また受信側(D/A変換部)では元通りのアナログ信号に戻すため復号化、補間ろ波と言った処理が必要になります。



            図23 PCM通信の概要


(2)PCM通信の特徴

 PCM通信の主な特徴は次のとおりです。
(a) 伝送路の雑音などの妨害に強い
 PCMでは、情報を符号化(パルスの組み合わせ)して送っているため、パルスの有無が判定できれば元通りの信号に復元できます。このため、長距離にわたって中継を重ねても情報誤りが少なく、伝送路の損失変動の影響も受けにくいので、安定で高品質な伝送が可能です。

(b) 広い周波数帯域を必要とする
 これはPCM通信の最大の欠点です。PCMでは、非常に多くのパルスを必要とします。例えば、電話の音声をPCM信号に変換すると、1秒当たり64000個程度のパルスが必要となります。これは、電話の音声の帯域幅がせいぜい4kHzなので、その16倍必要と言うことになります。

(c) PCM特有の雑音を生ずる
 PCMでは、音声信号などのアナログ信号をパルス符号に変える過程で特有の雑音が生じます。特に問題となるのは量子化雑音と言う雑音ですが、実用上問題のない程度に抑えることができます。

3.2 アナログ信号の標本化とその復元

(1)標本化

 標本化(サンプリング)とは、図24(a)、(b)のように、一定の周期でアナログ信号の大きさを読み取ることです。読み出されたパルスの振幅値は、元の波形のその時点での振幅を示す標本(サンプル)となります。このようなパルスの振幅が元の信号波形の振幅に応じて変化するパルスをPAM(Pulse Amplitude Modulation)パルスといいます。



           図24 標本化と補間


(2)補間ろ波

 図24(c)からPAMパルスを滑らかに結んでやると、元のアナログ信号が得られることが分かります。このようにPAMパルスから元の信号を得ることを補間ろ波(PAMパルスの間を補う)といい、実際にはPAM信号を低域ろ波器(音声の場合4kHz以下の周波数だけを通す回路)に通してやることにより、元の信号が得られます。

(3)標本化定理

 補間ろ波の処理を行う場合、PAMパルスの間隔(標本化の周期)が十分短ければ、元の波形が忠実に再現され、間隔が長過ぎれば補間しても元の波形が再現できなくなります。標本化の間隔を短くすればするほど、より高速の回路素子が必要となり、また伝送帯域幅も広いものが必要になります。これについてはシャノンの「標本化定理」があり、この定理により標本化の最大間隔を決め得ることが知られています。「標本化定理」とは、「元の信号に含まれる最高周波数の2倍以上の周波数で標本化すれば、標本から元の信号を再生することができる」というものです。

 電話伝送では、音声信号の帯域は0.3〜3.4kHzとなっているので、理論的には、標本化周波数は6.8kHzであれば標本化定理を満たしますが、実際の装置では余裕を見て8kHzで標本化をしています。つまり、毎秒8000回標本化を行っており、その周期(時間軸上のPAMパルスの間隔)は125μs(1/8000Hz)となります。

(4)音声のビットレート

 上記のように、電話伝送では標本化周波数は8kHz、すなわち毎秒8000回標本化を行っています。これは秒当たり8000個のPAMパルスができるということです。このPAMパルスの1つ1つをパルス8個を使って符号化する場合、毎秒8000×8 = 64000個のパルスが出力されます。このように、標本値を8個のパルスで符号化することを、符号化ビット数は8ビットであるといいます。また秒当たりのパルス数のことをビットレートといい、[bit/sまたはbps]で表します。上記の例では、電話1回線当たりのビットレートは64kbit/s[64kbps]( = 64000パルス/s)となります。これは、電話伝送における国際標準となっています。

3.3 量 子 化

(1)量子化とは

 1つのPAMパルス(標本)の振幅をパルスの有無の組み合わせで表す場合、パルスの振幅は連続的に変わるので、無限個のパルスが必要となります。しかし、実際に無限個のパルスを使うわけにはいきません。そこで、図25に示すように、PAMパルスの大きさを適当な数の段階(ステップ)に区分し、ある範囲内の振幅はすべて1つの代表値で表すことにします。つまり、四捨五入と同じ操作を行うわけです。この適当な段階に区分し、代表値で表現しなおす操作を量子化と呼んでいます。



              図25 量子化と量子化雑音


(2)量子化雑音

 量子化されたPAMパルス列には、四捨五入に伴い切り上げあるいは切り捨てた分に相当する誤差が生じます。この誤差分は、元のPAMパルス列に加わった雑音と考えることができます。この誤差分を量子化雑音といいます。量子化雑音はPCM方式では避けられないものですが、実際上問題がない程度に抑えることは可能です。量子化の精度を上げて、四捨五入に伴う丸め誤差を小さくしてやればよいのです。そのため図26に示すように、1つの標本値を表すのに使う符合を増やし、ステップ数を多く(ステップ幅を細かく)します。



             図26 量子化ステップ数と量子化雑音


 実際には、PCM装置の経済化を図るためステップ数をできるだけ少なくすることが重要です。このため、図27に示すようにステップ幅を信号レベルの大きさに応じて変化させ、信号レベルの高いところはステップ幅を大きく、信号レベルの低いところはステップ幅を小さくしています。これにより少ないステップ数でも、入力信号に対して「信号・量子化雑音比」を一定にして原信号を再生できます。これを圧伸則(圧縮・伸張則)といい、この方法により電話の場合256(28)ステップで量子化を行っています。また、音響機器のような場合は、65536(216)ステップを使って高品質を確保しています。



    図27 圧伸則による量子化


3.4 符号化と復号化

 量子化されたPAMパルスの振幅値を、符号に対応させることを符号化といいます。符号としては通常2進符号を使いますが、これは2進符号の[1][0]がパルスの「有」「無」で容易に表現でき、中継伝送にも適しているからです。図28に符号化と複合化の過程をまとめて示します。図28(b)のように、量子化されたPAMパルスの振幅値は、(c)に示すとおりパルスの「有」「無」の組み合わせに変換されます。(d)はこの変換の方法を図示しており、例えば10進数の3を8桁の2進数で表せば、"00000011"のようになります。 受信側ではこの逆の操作、つまり符号列(e)からPAMパルス(f)を作り出します。これを複合化といい、複合化されたPAMパルスを(g)で補間ろ波してやると、元通りのアナログ信号(h)が得られます。

              図28 符号化と複合化

[出典]
 (1) 電気通信研究会:伝送交換設備及び設備管理、日本理工出版会(2000-2)

 以上、変調および符号化についてまとめました。次回は多重化についてまとめる予定です。



[技術講座(伝送―3)]               (2002/09/26作成)

 前回の変調および符号化に引き続き、多重化および中継伝送についてまとめました。

1.多重化

1.1 時分割多重

(1)時分割多重の概要

 ディジタル伝送方式では、情報は符号化され、"0"と"1"で表されます。このディジタル信号は、一定の時間間隔に配列されたパルス列として伝送されますが、効率よく伝送するために時分割多重(TDM:Time Division Multiplex)を行い伝送しています。時分割多重とは、1本の伝送媒体を用いて複数のディジタル信号を伝送するために、複数のディジタル信号を時間的に少しずつずらし規則的に配列することにより、互いのパルスが重ならないようにすることです。時分割多重のモデルを図29に示します。



             図29 時分割多重のモデル


 図29(a)において、8個の接点を持つロータリースイッチS1が回転すると、(b)に示すように各CHの情報(パルス)が抽出され、CH1、CH2、CH3、------、CH8と順序良く並べられて、時分割多重が行われます。一方、受信側でも同じように8個の接点を持つロータリースイッチS2が、送信側のロータリースイッチS1と同じ速度、同じ位置関係(位相)で回転すれば、送信側でCH1が伝送路に接続されたとき、受信側でもCH1に接続され、各情報は正しく分離されます。

 このように、時分割多重では、送信側、受信側のロータリースイッチの回転速度回転位相を正しく合わせることが必要で、これを同期といいます。送信側、受信側のロータリースイッチの回転速度を正しくあわせることをビット同期(信号のクロック周期を合わせること)、位相を正しく合わせることをフレーム同期(配列パルスの1周期であるフレームの開始位置を合わせること)といいます。

(2)同 期 化

 複数のディジタル信号を時分割多重する場合には、多重しようとする信号は、互いにビット同期がとられていなければなりません。即ち、同期化してから多重化する必要があり、同期化の方法には、スタッフ同期網同期の2つの方法があります。

(a) スタッフ同期

 スタッフ同期の原理を図30に示します。



            図30 スタッフ同期の原理


 いま、信号1の入力速度をf1とし、これをf1よりやや高い信号速度f0に同期化する場合について考えます。図30に示すように、f0はf1よりやや高い信号速度のため、f1とf0は次第に位置がずれてくるので、そこにダミーのパルス(スタッフパルス)を挿入します。このスタッフパルスを挿入することによって、f1とf0の速度差は調整され、f1はf0に同期化されます。スタッフパルスは、もともと情報とは無関係で余計なパルスなので、受信側にこのパルスの存在を知らせ除去することにより、元の信号が再生できます。同様の方法で、信号2の入力信号f2をf0に同期化させることにより、結果的に互いに同期が取れていない入力信号f1とf2は同期化され、多重化することができます。図31にスタッフ同期多重の原理を示します。



            図31 スタッフ同期多重の原理


(b) 網同期

 ディジタル伝送方式及びディジタル交換機で通信網を構成する場合には、単に2地点間の伝送だけでなく、網全体として各装置が相互に接続されます。このとき、通信網を構成するすべての交換局において、多重化や交換が行われるので、通信網全体で同期をとる必要があります。これを網同期といい、通信網内の各装置が動作する基本周波数を一致させる方法です。この網同期方式の代表例としては、独立同期方式(各交換局に高精度の発信器を独立に設置し周波数を一致させる)、従属同期方式、相互同期方式(各交換局が制御発信器を持ち、接続される他局の発信器と相互に同期をとる)の3つがあり、なかでも良く用いられるのが従属同期方式です。

 図32に従属同期方式の原理を示します。この方式は通信網内の特定の交換局に主発信器を置き、クロック分配器を通じて、主発信器の基本周波数(クロック)を分配し、通信網全体をこの基本周波数に同期化させる方法です。網同期により、必然的に各装置が動作する基本周波数が一致しているので、通信網内の各装置から作り出されるディジタル信号は相互に同期化され、容易に多重化することができます。



  図32 従属同期方式の原理


(3)スタッフ同期多重と同期多重

 多重方式は同期化方法の違いによって分類され、スタッフ同期を用いる方式をスタッフ同期多重、網同期を用いる方式を単に同期多重と呼んでいます。これらの方式の違いは、スタッフ同期多重が、多重化しようとしている信号相互の速度が一致していないのに対し、網同期多重は一致していることです。また同期多重には、多重化しようとしている信号のビット位相のみを合わせて多重化する周波数同期多重と、すでに述べたフレーム位相まで合わせて多重化する位相同期多重があります。

1.2 周波数分割多重

(1)変調と周波数分割多重

 前回述べたように、音声信号などは変調により適当な周波数範囲に移動することができます。アナログ有線伝送では、変調により音声信号などを重複することなしに、伝送媒体の持つ周波数帯域に規則的に割り当てて伝送しています。即ち、伝送媒体の持つ周波数帯域を分割して、複数の音声信号などに割り当てて伝送しています。これを周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplex)といいます。

(2)周波数分割多重と帯域通過フィルタ

 音声信号は、0.3〜3.4kHzの周波数帯域を持っていますが、余裕を見て各信号に4kHzの周波数帯域を割り当てています。電話3CHについて周波数分割多重を行う場合を図33に示します。0.3〜3.4kHzの帯域を持つ各入力信号で、4kHzごとの12kHz、16kHz、20kHzの搬送波をそれぞれ変調します。変調後の信号からそれぞれの信号が重なり合わないように、SSB方式により上部側帯波のみを帯域通過フィルタで取り出し、周波数軸上に規則的に配列することによって周波数分割多重が行われます。



            図33 周波数分割多重の原理

2.中継伝送方式

2.1 ディジタル中継伝送方式

(1)ディジタル再生中継器の概要

 ディジタル中継伝送における最大の特徴は、再生中継機能にあります。一般に伝送される信号は、伝送媒体の特性や外部から混入する雑音によりひずみを受け、送信時の信号波形とは異なった波形となって受信されます。アナログ中継伝送では、雑音やひずみは伝送される間に累積されるので、信号の波形は徐々に損なわれます。しかし、ディジタル中継伝送は、再生中継器を用いて伝送路の途中でパルスを再生することにより、図34に示すように、受信パルスの波形が少々損なわれても、パルスの有無さえ分かればこれらの雑音を除去し、元のパルスを正しく再現出来るという優れた利点を有しています。



   図34 ディジタル伝送路における信号波形


 再生中継とは、次のように表現することができます。
 @ 伝送している間にひずんだパルス波形を、通信時の波形と同じ波形に再生する。
 A 再生したパルスを、正しい時間間隔に配列しなおす。

(2)再生中継器の主要機能

 伝送媒体に送出されたパルスは損失を受け、さらに妨害雑音が加わるため、送出されたパルスが受信側で正確に識別できるように、適当な間隔を置いて再生中継器を設置します。このように再生中継は、パルスの識別が可能なうちにパルスを再生し、再び伝送媒体へ送り出すことを繰り返して、パルスを目的地まで正確に伝送します。再生中継器は、再生中継を行うため、次の3つの機能を備えています。

 @ 等化増幅(reshaping):損失を受けひずんだ受信パルス波形を、パルスの有無が識別できる程度まで整形増幅する機能。
 A リタイミング(retiming):受信パルス符号列からタイミングパルス(パルスの有無を識別する時点を指定するパルス)を抽出して、識別再生回路に供給し、パルスの有無を識別する時点(再生パルスの立ち上がり時点およびたち下がり時点)を設定する機能
 B 識別再生(regenerating):タイミングパルスにより決まる時点で等化増幅後の波形の振幅を測定し、その値がある識別レベル(スレショルドレベル)以上の場合、新しいパルスを発生させ送出する機能
     
 これを、英語の頭文字をとって一般に3R機能と呼びます。再生中継器の基本的な構成を図35に示します。



             図35 再生中継器の基本構成


ここで重要なことは、再生中継器は、パルスの有無を識別するタイミングパルスを受信パルス列から作っているということです。従って、パルスがない状態("0"が連続する)が長く続くと、タイミングパルスがない状態が続き、再生中継器はその機能を失ってしまいます。受信パルス符号列は、各種の信号をパルス符号化したものなので、パルスがない状態が長く続くことも統計的にはあり得ます。このような再生中継器の機能喪失を防ぐために、"0"の連続符合の発生を極力抑えるか、またはなくする方法がとられています。これが、伝送符号形式といわれているもので、送信パルス列は、一般的に送信側に置かれる中継装置で伝送符号形式に変換され、受信側の中継装置で元に戻されます。伝送符号形式は、再生中継器の機能の喪失を防ぐ目的で使用されていることが分かります。

(3)伝送符号形式

 ディジタル中継伝送方式では、"0"連続符号の発生を抑えるため各種の伝送符号形式が使用されていますが、代表的なものとしてCMI符号8B1C符号があります。この2つの伝送符号形式の符号変換例を表6に示します。表6から分かるとおり、送信端の中継装置での伝送符号への変換により、伝送路へ送出されるパルス数は、一般的に入力信号のパルス数より多くなります。


               表6 符号変換例


2.2 ディジタル光ファイバ中継伝送方式

(1)光ファイバ中継伝送方式の概要

 光ファイバ通信モデルを図36に示します。同軸ケーブルなどを用いたシステムと本質的にはほぼ同じですが、
 @ 伝送媒体として光ファイバケーブルを使用している
 A 光ファイバケーブルの前後に、電気→光変換器(発光素子)と光→電気変換器(受光素子)が付加される

 の2つの点で異なっています。



            図36 光ファイバ通信モデル


 図36において、送信側(電気→光変換器)では、電気信号を半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)のような発光素子で光信号に変換し、光ファイバケーブルに送出します。光ファイバケーブルを通過し受光された信号は、受信側(光→電気変換器)のアバランシェフォトダイオード(APD)やpinフォトダイオード(pin-PD)のような受光素子で光→電気変換され、再び元の電気信号に戻されます。光ファイバ中継伝送方式も、アナログおよびディジタルの両中継伝送方式がありますが、ここではディジタル光ファイバ中継伝送について述べます。

(2)送信部(電気→光変換部)

 図37に光ファイバ中継伝送方式の基本構成を、また、図38にディジタル光伝送系の場合の、LDの光強度変調方法を示します。光の変調(電気→光変換)は、入力ディジタル電気信号に応じて光の強度を変化させる強度変調(IM:Intensity Modulation)を用いています。図38に示すように、LDでは閾値電流を超えて電流を流すことにより、大きいレーザ出力が得られるため、常にこの閾値より少し小さい電流(バイアス電流)を流しておき、その上にパルス電流を乗せ、パルスが来たときに出力光を発生させる方式をとっています。LDは、その周囲温度により光出力パワーが変化するので、光出力パワーを一定とするため、次のような制御が必要となります。

 @ 図37の出力レベル制御回路において、LDの出力光の一部を取り出し、APDにより電気信号に変換する。
 A この電気信号の大きさを基準値と比較し、駆動回路でLDのバイアス電流を調整して光出力パワーを制御する。



           図37 光ファイバ中継伝送方式の基本構成




   図38 半導体レーザの強度変調方法


(3)中 継 部

 基本的には、前述の再生中継器と同様です。光ファイバ中継伝送方式では、中継器ごとに光→電気変換、電気→光変換を行い、3R機能は光信号ではなくすべて電気信号によって行っています。

(4)受信部(光→電気変換部)

  受信された光信号は、APDにより電気信号に変換された後、3R機能により再生されます。同軸ケーブルなどを用いた従来の方式と異なる点は、APDを用いる場合、このAPDの電流増倍率を変化させていることです。即ち、識別回路への入力振幅を一定にするため、電気増幅器の増幅度を変えるだけでなく、APDのバイアス電圧を変え、電流増倍率を変化させます。このように電気AGC(Automatic Gain Control)に加え、光AGCを用いることにより大きなAGC範囲を得ています。

2.3 アナログ中継伝送方式

(1)アナログ増幅中継器の概要

 増幅とは電気的入力を拡大して出力側に取り出すことです。図39にその様子を示します。図39は、入力信号1アンンペア(A)の正弦電流が10Aの出力電流に増幅されたことを示しています。この入力信号と出力信号の電圧比や電流比などを増幅度と呼びます。図39で増幅度を求めてみると

     増幅度=出力信号/入力信号=10/1=10倍

 となります。



         図39 増   幅


 電気通信においては、入力信号と出力信号の電力比を、10を底とした対数をとって表示することが多く、こうすることにより各種の計算など色々便利に取り扱うことができます。この場合の単位はdBとなります。例えば、入力信号が1mWで出力信号が10mWの場合

 増幅器利得(AMP GAIN)= 10log10/1=(10dB)

 となります。

  同様に入力信号電力に対する出力信号電力が100倍、1000倍となるような増幅器があるとすれば、それぞれの増幅器の利得は20dB、30dBとなります。逆に、入力信号が同軸ケーブルなどの伝送媒体を伝わっていく間に小さくなる場合にもdB表示し、損失(Loss)あるいは減衰といい、「20dB減衰する(1/100になる)」などのように使われます。

 音声などの信号は、変調後大きな束にまとめられ(多重化)伝送媒体に送り出されます。伝送媒体に送り出されたアナログ信号は、損失を受け、雑音などによりその波形はひずみ、送信時の信号波形とは異なった波形となって受信されます。アナログ増幅中継器の本質的機能は、伝送媒体で受けた損失を忠実に補うことであり、これは伝送路上の雑音も信号とともに増幅されることを意味します。従って、アナログ中継伝送路における信号波形は、図40に示すように、雑音は中継区間ごとに累積され、ディジタル中継伝送路のように除去されません。増幅中継とは、伝送媒体で受ける損失を可能な限り忠実に補い、時間的な信号の変動、雑音を抑えて、伝送すべき周波数帯域全体にわたって同じ品質で伝送することと言えます。



           図40 アナログ中継伝送路における信号波形


(2)増幅中継器の主要機能

 伝送媒体に送り出された信号は、長い距離を伝わっていく間に、その強さが次第に小さくなっていく(減衰する)ので、伝送媒体上に適当な間隔を置いて増幅中継器を設置します。増幅中継器の主要な機能は次のとおりです。

(a) 伝送媒体を伝わる間に受けた損失を忠実に補う
  伝送媒体を伝わる信号は、その周波数(f)によって受ける損失の量(減衰量)が異なり、高い周波数成分ほど受ける損失が大きくなる性質があります。同軸ケーブルの伝送損失が√fに比例して大きくなることは、「√f特性」としてよく知られています。中継器には、この伝送媒体の性質(損失の周波数特性)に合わせて、逆にそれを打ち消すような増幅の特性(利得の周波数特性)を持たせています。即ち、中継器の利得を伝送媒体で受ける損失を打ち消す方向に、周波数によって変化させています。図41にその概念を示します。



            図41 中継器の伝送損失補償概念


(b) 中継伝送路の損失などの変動を一定限度内に抑える
 伝送媒体は、周囲温度の変化(夏・冬、昼・夜など)により抵抗などが変化し、その結果伝送損失が変動します。一般に、伝送損失が変動することは安定な通話などに支障をきたし(極端な例では通話中に声の大きさが変動する)、雑音増加の一因にもなるので、極力小さく抑えています。

(c) 自動利得調整装置
 自動利得調整装置(AGC:Automatic Gain Control Equipment)は、中継伝送路における信号の損失などの変動を抑える働きをするもので、伝送媒体の損失や中継器自体の利得の変動自動的に調整し、その変動を常に一定限度内に調整する機能を持っています。AGCは、中継器の一部として組み込まれており、中継器の出力が増加または減少した場合、逆にその出力を減少または増加するよう制御します。また、AGCは、この制御の仕方により、パイロットAGC(P-AGC:中継器増幅部の出力側パイロット電流により制御)と、温度AGC(T-AGC:中継器の周囲温度により制御))に分類されます。P-AGCもT-AGCもサーミスタが使用されていますが、これはサーミスタが、温度に対する抵抗値の変化が極めて大きいからです。

2.4 ディジタル加入者伝送方式

 電話・データ・画像を始め、これらを組み合わせた多種多様なサービスを経済的に提供するためには、端末から端末までディジタル化を図ることが必要です。これを実現するためにも加入者系にもディジタル伝送技術を適用し、効率的、経済的に加入者系のディジタル化を図る必要があります。加入者系のディジタル化については、平衡対ケーブル(メタリックケーブルとも言う)を用いたディジタル加入者線伝送方式と光ファイバケーブルを用いたディジタル加入者線伝送方式とがあります。ここでは、平衡対ケーブルを用いたディジタル加入者線伝送方式のうち、2線時分割伝送方式について述べます。この2線伝送方式は、4線伝送方式に比べて、伝送特性上特に近端漏話の影響除去が優れています。

 一般的に近端漏話の影響の方が遠端漏話による影響よりも大きく、伝送可能距離を制限する大きな要因となります。(注:近端漏話・遠端漏話については技術講座「ADSL」参照)。2線時分割伝送方式は、近端漏話の影響を除去することにより伝送距離を大きくしたディジタル伝送方式です。

 同一ケーブル内に収容されている伝送システムの伝送方向(交換局から端末側または端末側から交換局)が同一であれば、近端漏話の影響を回避することができます。図42に示すように、同一ケーブル内に収容されている伝送システムの伝送方向がすべて端末側から交換局方向に設定されたとします。この場合、近端漏話による雑音はすべて端末側の送信部に生じることから、受信信号に近端漏話による雑音が重畳されることはありません。次に全システムのスイッチを同時に切り換えて、伝送方向を交換局から端末側に設定した場合も同様の原理により近端漏話の影響が回避されます。



             図42 近端漏話の影響


 このように、2線時分割伝送方式では、伝送方向を一定周期で交互に切り換え全システムの伝送方向を常に同一に保ちつつ、信号を交互に送ることによって、伝送可能距離におきな制約を与える近端漏話の影響を除去し、伝送距離を大きくしたわけです。

 しかし、単純に切り換えスイッチを動作させるだけであれば、連続的な信号の伝送は望めません。これを可能とするための方式では、図43に示すように、端末側から交換局への連続的なパルス列信号は、いったん速度調整を行うメモリ(バッファメモリ)に蓄え、その後、一定の周期(バースト周期)ごとに時間圧縮をかけてメモリから読み出し、一定量ごとに加入者線に順次送出します。交換局側では、受信した信号をいったんバッファメモリに蓄積した後、時間伸張を行い連続信号として読み出します。逆に交換局から端末側への信号は、時間圧縮により生じた空時間(端末から送られてくる信号列群と信号列群との間の時間)を利用して、同様な操作で伝送されます。



           図43 2線時分割伝送方式の原理


 このように、本方式は1対のメタリックケーブル上で、端末側からの信号列群と交換局側からの信号列群時分割的に交互に送りあうため、ピンポン伝送方式とも呼ばれています。(注:欧米ではエコーキャンセラーを用いる上り下り同時伝送方式)。表7に2線時分割伝送方式の主要緒元を示します。


        表7 2線時分割伝送方式の主要諸元

項  目 内  容 備  考
伝送容量 64kbps + 64kbps + 16kbps
(情報) (情報) (信号)
144kbps 全二重
伝送方式 時分割伝送方式  
ラインビットレート 320kbps  
バースト周期 2.5ms  
伝送路符号 AMI符号 スクランブル付き
適用対象ケーブル @ プラスチック絶縁ケーブル
A 紙絶縁ケーブル
ケーブルにより適用方法は異なる
線路損失 最大50dB 160kHzでの動作減衰量
給電方式 39mA定電流給電 パルス信号に重畳(通信時のみ電源投入)
給電電圧 最大60V(線間電圧)  
線路直流抵抗 最大810Ω  
適用限界距離 7km 送受バーストの衝突しない距離

 

[出典]
 (1) 電気通信研究会:伝送交換設備及び設備管理、日本理工出版会(2000-2)

 以上、多重化および中継伝送についてまとめました。伝送技術の基礎についてはここまでとし、次回からは交換技術についてまとめる予定です。


 

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